論文紹介 2025年9月 ②

診療が落ち着いた今こそ、情報チャージのチャンス。

今月も、注目の論文を厳選してご紹介します。知っておきたい内容ばかりですので、ざっと目を通すだけでも十分価値ありです。

Pubmedへのリンクも貼ってますので詳しく確認したい方はそちらからお願いします。

がむしゃら院長
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2025年9月の論文紹介②です

2025年9月に発表された論文から6編をご紹介します。気になったものから読んでみてください。

局所進行直腸癌に対する2週間コースの術前化学放射線療法 vs 標準長期照射:Twoarc第III相ランダム化試験

背景:術前化学放射線療法(CRT)は局所進行直腸癌の標準治療だが、短期間(2週間)のハイポフラクショネーションCRTが、従来の長期CRTと同等の腫瘍反応と安全性を示すかは明確でなかった。
方法:cT3-4N0-2M0直腸癌338例を対象に、通常長期CRT(50.4 Gy/28回, 5-6週)群(n=167)と2週間コースCRT(33 Gy/10回)群(n=171)に無作為化。主要評価はダウンステージング率(ypT0-2N0)。手術(TME)はCRT後6-10週で実施。
考察:完全病理学的奏効(ypCR)は両群で有意差なし(15.6% vs 14.6%、p=0.807)。ダウンステージング率・括約筋温存率・切除縁陽性率も差を認めなかった。2週間CRT群はGrade ≥2消化器毒性が有意に低かった(5.8% vs 13.2%、p=0.021)。

Ann Surg., 2025年9月15日(電子先行)
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/40939157/


がむしゃら院長
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局所進行直腸癌に対する術前放射線化学療法は2週間コースに短縮できる
直腸癌の術前放射線化学療法もエビデンスがたまってきた

非造影CT画像とAIを用いた胃がんの大規模スクリーニング(GRAPE)

背景:胃がん早期発見は死亡率低下に重要だが、内視鏡の普及や資源が限定され、スクリーニングの実施が困難な地域が多い。非造影CTを活用した効率的スクリーニング法の検討が求められる。方法:中国2施設の3,470例の胃がん(GC)と3,250例非GCでGRAPEモデル(非造影CT+深層学習)を構築・内部検証(AUC 0.970)。外部16施設データ18,160例でも検証(AUC 0.927)。放射線科医との読影比較や78,593件の実臨床CTでの実運用性能も評価。
考察:GRAPEは放射線科医より高感度・高特異度でGCを検出し、特に早期ステージでも識別精度が高かった。地域病院の機会スクリーニングでも多数の未診断GC例を検出し、早期診断の可能性を示唆した。

Nat Med., 2025年9月
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/40555751/


がむしゃら院長
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AI+単純CTで早期胃癌でも検出できる!
めちゃくちゃすごい!今後は完全に読影はAIに置き換わる。確認・責任が医師になる。

胆嚢摘出術時の機会的卵管切除(OS)は卵巣がん発生を大規模に減少させ得る:人口レベルの推計研究

背景:卵巣がん予防として卵管の機会的切除(OS)は有望だが、一般的な手術時に実施した場合の長期的な影響は未評価だった。
方法:米国における胆嚢摘出術(CCK)実施数・卵巣がん発生率を基に、OSを同時に行った場合の卵巣がん予防効果を統計モデルで50年先まで推計。OSは卵巣がんリスクを65%低減すると仮定した。
考察:40〜44歳女性の40%にOSを実施すると、5年で6例、20年で41例、50年で139例の卵巣がん発症を防ぐ推計。80%実施では5年で12例、50年で279例の防止効果。全40歳以上女性で40%実施すれば生涯で850例超を予防可能とのモデル結果。OSは卵巣がん負担の大幅な低減に寄与しうる。

Ann Surg., 2025年9月15日(電子先行)
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/40951975/


がむしゃら院長
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機会的卵管切除(OS)は卵巣がん発生を大規模に減少させる
卵巣機能は残るから卵管切除はした方がいいのか。卵巣がんを防げるって全然知らなかった。

膵頭十二指腸切除術または全膵摘出術における静脈合併切除後の抗凝固療法実践と門脈血栓症リスク:国際多施設コホート研究

背景:膵頭十二指腸切除(PD)や全膵摘出(TP)に静脈合併切除(VR)を要する症例では、術後門脈血栓症(PVT)が高頻度で認められる可能性が報告されているが、抗凝固療法の実践と予防効果は不明であった。
方法:2018–2022年のデータを欧州・米国・メキシコ・トルコ・オーストラリア・NZ の多施設で収集。VR あり PD/TP 972例を年齢・性別で VR なし PD/TP 例と比較し、術後 30 日、90 日、1 年の PVT 発症率と抗凝固療法の影響を評価。
考察:VR 群の PVT リスクは 30 日 5.1%、90 日 7.3%、1 年 11.6%、VR なし群は 1.0%、1.3%、2.6% と明らかに高かった(P < 0.001)。術後治療的抗凝固療法は 30 日 PVT 発症を著明に減少させたが、90 日以降および長期の予防効果は示されなかった。短期 PVT は手術技術・ VR のタイプで、90 日以降はがん再発で大きく影響された。

Ann Surg., 2025年9月25日(オンライン先行)
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/40996212/


がむしゃら院長
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術後治療的抗凝固療法は 術後30日の門脈血栓症は減少させたが長期効果は限定的
門脈血栓防止目的の術後凝固療法が必要かどうかは微妙。けど術後の肺塞栓防ぐ意味では使ってた方がいいのか。微妙。

胆嚢腺癌の根治的胆嚢摘出術における肝切除:肝S4b/5切除 vs 楔状切除の無作為化比較試験

背景:胆嚢がん根治術で行う肝切除(楔状切除/解剖学的S4b+5切除)の優劣は、前向きRCTの比較が不足していた。
方法:単施設・第III相・非盲検RCT。転移/切除不能を除外後、術中に楔状切除群とS4b/5切除群へ1:1無作為化。最終解析163例(S4b/5=83、楔状=80)。
考察:S4b/5は手術時間延長・出血増(318 vs 287分、265 vs 223mL)だが、合併症・死亡・R0率差なし。追跡中央値27か月でDFS/OSも差なし(DFS HR0.8、OS HR0.6)。術式差は長期腫瘍成績に影響せず。

Ann Surg., 2025年9月25日(電子先行)
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/40996213/


がむしゃら院長
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胆嚢がん根治切除の肝切除は楔状切除でいい
そうなんだ。このRCTができたのすごいな。しかもインドの単施設。

糖尿病+肥満患者における減量手術 vs GLP-1受容体作動薬の大血管・微小血管転帰比較

背景:減量手術とGLP-1RAはいずれも心代謝を改善するが、長期の大血管/微小血管転帰を直接比較したデータは限られていた。
方法:2型糖尿病+肥満の減量手術1,657例とGLP-1RA治療2,275例を比較。二重にロバストな推定で背景を調整し、中央値5.9年追跡で死亡、MACE、腎症、網膜症までの時間を評価。
考察:10年死亡は手術9.0% vs GLP-1RA 12.4%(調整HR 0.68)。MACE(HR 0.65)、腎症(HR 0.53)、網膜症(HR 0.46)も手術が低リスク。GLP-1RA時代でも代謝手術が優位と示唆。

Nat Med., 2025年10月(Epub 2025年9月16日)
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/40957960/


がむしゃら院長
がむしゃら院長

糖尿病+肥満患者において減量手術の方がGLP-1受容体作動薬よりも予後良好、合併症予防効果が高い
肥満の程度によるだろうけど、可能なら手術か。

まとめ

AI読影はすごいなあ。画像検査したらとりあえず全部AIにかけるのがよさそう。医師は最終チェックと責任をとるって仕事にかわるか。

がむしゃら院長
がむしゃら院長

AIがすごすぎる。クリニックの外来にもAIをどんどん入れていきたい。

できることを最大限に。がむしゃら院長でした。

コメント

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